トリガーポイントとは
Simon の定義によれば、トリガーポイントとは「筋組織の触診可能な索状硬結中に存在して、押すと鋭い痛みを感じるスポット」となります。トリガーポイントとは、筋肉の最小単位である筋細胞内の収縮・弛緩させるタンパク質(サルコメア)が短くなり、その機能が低下した状態と言えます。トリガーポイントの堆積により筋膜に痛みが生じます。しかし、その痛みは必ずしもトリガーポイント上に発生するわけではなく、他の場所に送られる特徴を持ちます。(関連痛)筋膜は、体の覆う布のような存在で、布の一部にしわがよれば、他の部分にもしわがよるといった性質を持ちます。
1.超音波治療での筋膜温熱療法・立体動態波等のトリガーポイントへの電療
2.トリガーポイントへの押圧、IDストッチング、コントラクト・リラックス(短くなったサルコメアを伸張するのに有効)
3.筋肉のリラックスを誘導する自動介助運動、AKA関節運動、マリガンテクニックやMETによって筋、靭帯、関節包の緊張を緩めて関節可動域の回復をはかります。当院でのぎっくり腰施術は、主にこの方法で行っています。
等を中心に行っています。(セルフストッチング・簡単な矯正運動等のご指導)
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むち打ちで損傷される主な筋肉とトリガーポイント
顎二腹筋後腹 側頚部・顎周囲に痛みがでます。この筋肉にトリガーポイントを生じると、口を空けたり、物を飲み込んだり、発声障害をおこします。
胸鎖乳突筋 トリガーポイントが、近位か、遠位かで痛みの出る場所が異なります。近位では耳介・耳介後方・顎・顔面、遠意では肩・胸壁に痛みが出ます。むち打ちでは、この筋肉にトリガーポイントを生じることが多いところです。
斜角筋 この筋肉にトリガーポイントを生じると頚部・胸部、上背部、上肢に痛みが拡散する。胸背部や上肢に痛みが生じたらこの筋肉のトリガーポイントを疑った方が良いと思われます。バイオリン演奏、長時間左右頚を傾けて仕事をしている人は、筋肉の疲労からトリガーポイントを生じやすいのです。寝違えの場合、まずこの筋肉に触れてみることです。ほとんどの場合、緊張が見られます。
頸長筋 頚部前面にトリガーポイントは、頚部前面に痛みを生じます。むち打ち損傷で見逃されがちな筋肉で頚部痛を起こす原因となります。むち打ちを起こすと、この筋肉の筋力低下を生じます。
頭板状筋 頭板状筋のトリガーポイントは、こめかみから後頭部にかけて痛みを生じる原因となります。むち打ちで極めてよく見られる筋肉のトリガーポイントです。
後頭下筋群 深い位置に存在する筋肉ですが、むち打ちでは、頭板状筋と共に障害が非常に多い筋肉です。この筋肉は頚を回したり、横を向いたりという動作の補助に使われるが、筋肉の酷使によりトリガーポイントを形成します。
僧帽筋 僧帽筋のトリガーポイントは、上部(こめかみ、顎下、耳の後ろ、目の奥の痛み)、上部から2~5cm離れた場所(後頭骨底部、首・背中の痛み)僧帽筋下部(後頭骨底部、僧帽筋上部の痛み、頭痛)僧帽筋の中央(脊椎に沿って焼け付くような痛み)の4つがあります。
肩甲挙筋 肩甲骨の内縁と肩の背側に痛みを生じ、トリガーポイントのある側に頭を向けられなくなります。僧帽筋と同様に、肩にバッグをかけた場合ずり落ちないように、肩を上げるなどの動作で肩甲挙筋は緊張します。
頭半棘筋 筋肉の過緊張により筋肉は内圧の上昇を起こし、血管や神経通路を狭窄します。 頭部前方変位を生じると、頸椎5~8番の神経根を圧迫して神経症状が起きます。
血管や神経通路を狭窄することで痺れ、頸部痛、上肢痛、手足の痺れ、筋力低下を生じます。
下図参考(首の血管・神経神経通が狭くなる例)慢性化する前に、早期に頭半棘筋の緊張を取り除き、
後頭骨と頸椎の連結部(C1、C2)の可動性を、できるだけ早期に回復させます。
以下を試してください。(ただし無理は絶対しないでください。少しでも痛みがでた場合は、動作は中止してください。症状が悪化する場合があります)。このテストで悪化した場合当方は、責任は負えません。
1.顎を引くことができるかどうか
2.顎をだすことができるかどうか
3.首を曲げて胸の方向に頭全体を近ずけられるかどうか
4.首全体を反らして天井を向けられるか 3.4に関しては少しでも痛みを感じたら動作は中止
5.右(左)に首を倒せるかどうか
6.右(左)の物に首を使って、顔をむけられるかどうか
7.斜め上、斜め下を向けるか
以上一つでも動作中に痛みを感じたらむち打ちの可能性があります。
椎前筋 椎前筋は、頚椎の前面にあって頭部を垂直に保つのに、非常に重要な役割を果たしています。椎前筋は、頭長筋・頸長筋から成構成され、顎を引くときに働きます。(素早い動作)この筋肉の機能が弱ってくると左下図のような頭部前方変異を生じるといわれます。弱った椎前筋を再び正常に機能できるように、ES530で筋肉を有効に使えるようにトレーニングします。
頭部前方変異を放置しておくと、腹横筋・横隔膜の機能低下を生じ呼吸が浅くなるため、呼吸補助筋の負担が大きくなり、結果として慢性的な肩こりの原因となります。
頭部前方変位で生じる神経症状 頭部前方変位
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